「ゴメンね。」
こんなつもりじゃなかったんだよ。
そんなことを後に続けたそうに顔を上げる。
真っ赤な大きな目に、頬を伝う一筋の涙光。くっきり二重の瞼は
いつの間にか腫れて、そこから長い睫毛が伸びていた。
喉が潰れかけてしゃくりあげる声すらままならない。
「謝らないで」
「ううん、あたしが、あたしが悪いから、あたし、本当に、ごめん、ね」
再び頭をがくりと落とし、地面を乞うように手を付く。
涙を拭っていたタオルはびしょびしょに濡れていて指からも水滴が滴り落ちるほどだった。
人は、人のためにここまで泣くことができるんだね。
だけど、その姿を美しいだとか、好きだとか、そんな風には思えない。
「ご、めんね」
綺麗な黒髪を夕日が飾って鮮やかな茶色にしたてあげる。
日焼知らずの白い肌にオレンジ色の光が差し込む。時間が経ったのか、それすらわからない。
細い指で小さく拳を作るとすぐにその拳の上に小さな水滴が一滴垂れる。
「顔、あげてよ」
俺は顔に近づいて手を伸ばす。
もう二度と触れられない体に、頬にそっと指を当てて涙を拭う。
俺は出来る限り、精一杯微笑みかけた。
「笑って」
俺の最後の願いも空しくあんたは最後まで涙を流すだけだった。
近くを見ていたはずなのに何故か突然遠くを見据えてる様に感じた。
全て蹴り飛ばしたくなった。目の前の、この人でさえ。頭から、蹴り飛ばしてやりたい。
愛おしくて、手に入らない、この人だから。だけど、俺は。
雑草エクスタシー
(あんたの笑顔に惚れたんだから。せめて最後だけでも笑って欲しかった。)
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受験生が一日2本アップってどうよ…(苦笑)
06/0810 朝比奈依智