頬に当たる生温い風が私を急かして何度も何度も背中を追いたい衝動に駆られる。
風の当たる場所は涼しくなるわけもなく逆に熱をもって篭ってしまうだけだ。
「何やってんの?早く来いよ」
立ち止まった私にあんたは振り向いて、風に靡かれながら私を待つ。
土手の草たちは一つ一つが音を出し始め、いつの間にか大合唱を始める。
私はきらきら光ってたまに眩しい川の水を見ながら、同時に前にいるこの男の
ことを考えてみる。
...私がそっちにいけないこと、知ってるくせに。
私がそれ以上近づくことは許されない。
そんなの壊してしまいたいけど失ったら私は私でいられなくなる。
私には、後が無いから。この距離は、この不安定な距離を
ずっと保っていたい。守っていたい。
「うん」
風にさらわれそうなスカートを片手で必死に押さえつけながら足を前に出す。
沈みかけた太陽を後ろに、今日もまた素直な感情を出せずにいる。
純情モラトリアム
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最近再放送の青春ドラマを見て、土手っていいなぁと感じたから背景が土手です。(笑)
わかりにくいけど。ちなみにこれの私の中での相手は丸井です。
これみたいなVSSの説明(蛇足)はブログにしてあります。
06/0810 朝比奈依智